第七回Hi! ku City句結果

7点句
埋まらない原稿用紙猫の恋 水月 秋杜 特選 一文無  
ぶう  
つーやん  
正明  
子子 うーん、いい猫句ですね。
江戸切子 うるさい!と思わずどなってしまうのは嫉妬?白い原稿用紙がうらめしい。
感想 山口あずさ 朝日新聞の夕刊の四コマ漫画。
6点句
春の風邪地図の南極大きかり 齋藤朝比古 特選 つーやん 微妙なバランス感覚ですね。
喜誉司 私は重度の花粉症です。
五十嵐秀彦 風邪をひいて寝ていると壁に貼ってある世界地図が気になる。南極がずーと白くあるのが気になる。ああ、頭が痛い。
(h)かずひろ メルカトールの目の錯覚。
小島けいじ スケールが大きい。好きです。
感想 山口あずさ 南極に水洟を飛ばさないように。
感想 姫余  
5点句
白無垢を今宵焼きます花篝 水月 秋杜 特選 五十嵐秀彦 うわぁ、凄い句です。え?こういうことってあるの?そんな地方があったら凄いですが・・・。寺山修司の世界のようでひかれました。
山口あずさ 白無垢を焼くとはただごとではありませんね。「花篝」にデカダンを感じて一票。
(h)かずひろ なるほど。これにて闇を浄化せん。
子子 おー、この世界、一度はハマリますね。
掃除機にコード引込み梅白し つーやん 特選 正明  
山口あずさ 掃除機にコードを引き込む瞬間って、一種独特な感じがある。ここに着眼したことに一票。
一文無  
草もち 早春の座敷に差し込むひかりが、目に見えるようです。
感想 夜来香 掃除機のコードを引き抜いた瞬間って、なんかいいもんですよね。
春泥や背番号無きユニフォーム 齋藤朝比古 特選 ぶう  
山口あずさ ほのぼの感に一票。
一文無  
つーやん  
裏側は白き卒業証書かな 齋藤朝比古 特選 小島けいじ 裏の白紙から想像できる拡がりが卒業式によくあっていると感じました。
特選 江戸切子 卒業は出発でもあるのですね。この裏に何をどれだけ描けるかが人生勝負。
水月 秋杜 いろんな思いや出来事が凝縮した学生生活。あっさりと白い証書のウラ、そのバランスを見た視線がいい。
感想 山口あずさ もし黒かったら裏口入学だったということかも。
感想 白井健介 《卒業証書の裏一面の白きこと》という言い方も出来るかと思います。
感想 夜来香 なんてことはない当たり前のことですが、心地よい虚脱感を感じます。
感想 姫余 実感できる作品でした。
4点句
春浅し白いギターを売りに行く 正明 特選 齋藤朝比古 ああ、TVジョッキー土居まさるも 今や亡き人。相本久美子も可愛かったなぁ。そんな懐かしい気分にさせて頂きました。作者の意図とは違うかもしれないなぁなどと思いつつも、今回の特選です。
showmaru それが白のストラトなら私が買います。
つーやん べつに売りに行かなくてもいいと思う。
感想 山口あずさ なぜ売るのか、気になる。
感想 白井健介 季感は(内容に)よく合っていますよね。
心拍の聞こゆる春の余白かな 五十嵐秀彦 齋藤朝比古 実感あり。
一文無  
ぶう  
江戸切子 春の揺らぎを体に感じている。
感想 山口あずさ 余白がどきどきしているような感じの句を書きたい。
感想 白井健介 雰囲気はたいへん好い句だと思いました。具象が無いのですが……
3点句
朧夜の湯浴みの髪の匂ひそむ 江戸切子 特選 白井健介 野暮な説明は差し控えたい。たいへん好い句です。讃。
水月 秋杜 春はどうしてこんなに気持が揺れるんでしょうね。しっとりした情感が好き。
感想 山口あずさ 気持ちはわかるが、これも常套。
感想 五十嵐秀彦 上手な句ですね。でも上手すぎてインパクトが少し弱いかな。
朧夜の時計の音に眠れぬ子 つーやん 特選 (h)かずひろ 時計の音に見え隠れする闇の深さに気づいてしまったね。
齋藤朝比古 気になり始めるとどうにもならないあの音。
感想 山口あずさ 優しくしてあげましょう。
白き胸そらせつばめの宙返り 江戸切子 白井健介 「白き胸」という“具象”が手柄。「そらせ」は<反らし>とすべきではないかと思いますが。
水月 秋杜 元気が出るし、気合いが感じられた。
ぶう  
感想 山口あずさ 「宙返り」で答を出してしまった感じ。
ミルク瓶弾きて浅き春を聴く showmaru 特選 草もち なんともいえない「春の物憂さ」です。「白」という言葉を直接使わないのもいいと思いました。
小島けいじ 小さな幸せな春がある感じがします。
感想 山口あずさ 「ミルク瓶を弾く」という行為が作為的なように思う。
感想 五十嵐秀彦 お母さんの句ですか。赤ん坊の匂いがしてきそう。
毛穴から蝶の生まれる油風 山口あずさ 特選 子子 ちょっと、恐すぎてスゴイ!!私、蝶というのが生理的にとても苦手です。
喜誉司 ぞぞっ!としました。
自解 山口あずさ <春の風>にしようかと思ったが季語集を見たら<油風>というのがあまりにもぴったりだった。でも、みんな、<油風>なんて知っているだろうか。。。
それはまあなんだねハクセンシオマネキ 草もち 特選 山口あずさ 実際にそのようなセリフを吐きそうな気がする。
showmaru 私も自慢できるよ「貝殻がざらざらしたのがアサリでつるつるしたのがハマグリなのさ」
感想 五十嵐秀彦 本当に、それはなんですか?
自解 草もち 「ハクセンシオマネキ」は、干潟に棲むカニの一種です。漢字で書けば「白扇望潮」。片方のハサミがやたら大きくて、そのハサミを振り回す習性があります。
春野には白布広がるだけひろげ 喜誉司 俳句表現の到達感って、難しい・・・この俳句で描きたかった風景が好きです。
正明  
齋藤朝比古 気持のよさ。
感想 山口あずさ 何もかも包んでしまうアーティストがいましたよね。
遠き日の熱に棲みたり雪うさぎ 水月 秋杜 子子 微熱と雪うさぎって、いい取り合わせですね。
五十嵐秀彦 「雪うさぎ」に若い日々の想い出が繋がっているのでしょうか。今の静かな心境が伝わってきます。
江戸切子 うまいなぁ。
感想 山口あずさ 「雪うさぎ」に「熱」はやはり常套的。
2点句
春一番白杖を止め嬉しそう 喜誉司 白井健介 「嬉しそう」なのを見て取るのも(あくまで当方が勝手に、ですが)一抹の切なさを覚えてしまうのです。余計なお世話的類のものだと一方で自覚しつつも。
showmaru 春を呼ぶ魔法の杖かもしれない。きっとそうだよ。
感想 山口あずさ 「嬉しそう」なのは誰かが気になる。
感想 五十嵐秀彦 「嬉しそう」が惜しいのですよ。ここを替えると良くなりそうですが・・・。
あげぬのに貰ってしまふホワイトデー 山口あずさ 白井健介 “嫌な相手から”というのでないのなら好かったではないですか。勝手にうまくやってください。
showmaru 果たして幸運なのか?
自解 山口あずさ ちなみに、バレンタインでは<義理堅いところを示すバレンタイン><バレンタインあげるあげぬで義理を欠き>という句を詠んだ。
いつよりの白き海鳴り流氷期 一文無 小島けいじ 流氷と白だと近い気もしますが、白き海鳴りと来るとぐっと力強い感じがしました。
正明  
感想 山口あずさ 「流氷」と行っただけでポエムと言えばポエム。「いつよりの白き海鳴り」がこの語に拮抗していないように思う。
感想 五十嵐秀彦 「白き海鳴り」と「流氷」はつき過ぎかな。
白線は春の空なり途中下車 正明 水月 秋杜 雰囲気はわかる。白線と春の空の関係って、もう動かないかな?
小島けいじ 伸びる白線と春の空のマッチング。途中下車した駅はきっと春を思いっきり感じる事のできる駅だったのでしょう。
感想 山口あずさ 「途中下車」とあるので、つい「白線」をホームの白線と思ってしまう。従って、「春の空なり」という断定に説得力がない。
白き手のふれるところに春を見て ぶう 特選 水月 秋杜 白い手の持ち主は誰なのだろう。詠み手の視線に情感がある。
感想 山口あずさ 手に触れるものすべてを春にしてしまう魔法使い。いや、単に惚れてるだけか。
白水仙自由になって穴を出る 松山たかし ぶう  
草もち この句、どこか言い尽くせてない感じは残りますが、捨て去ることができません。
感想 山口あずさ この句、選句リストに2つ表示されていました。この場を借りてお詫びします。
半袖の白がひかりに変わる午後 エスプレッソ 正明  
喜誉司 写真や映画の表現って俳句に似ているんだろうかとちょっと考えさせれました。
感想 山口あずさ 「半袖の白」を「ひかり」と言わずにひからせて欲しかった。
自解 エスプレッソ 夏の日の白色は光を反射して輝いてまぶしいばかりです。ことに昼下がりの光は。
日本破綻白木瓜緋木瓜更紗木瓜 草もち 五十嵐秀彦 あ、これは上手い句ですね。政治・経済・社会全てへの皮肉を木瓜の花に託し、かつ全て漢字にまとめたワザはなかなかです。
江戸切子 昨今の社会状況はまさにお手上げ。この明るさはあきらめ?
感想 山口あずさ 早口言葉。
自解 草もち 「更紗木瓜」(さらさぼけ)とは、マーブル状に赤白まじりで咲く木瓜のことです。
1点句
長いまま白鉛筆は春迎へ showmaru 草もち やるせない春ですねえ。
感想 山口あずさ 珍しいだけで使えない。。。
感想 夜来香 白い色鉛筆ってなかなか使いませんよね。清潔感のある句。
感想 五十嵐秀彦 春になった時に白鉛筆が長いまま残っていたということは、雪の降らない地方の人の作品?
感想 齋藤朝比古 よく詠われる景だが、春迎への前向きさ加減がよろしい。
啓蟄やユーミンの声コピーして 白井健介 齋藤朝比古 清水ミチコ?ユーミンのあの声、確かに啓蟄っぽい。
感想 山口あずさ このコピーは真似たということだろうか?単に真似るだけでなく、声コピーというマシンをドラえもんに出して欲しい。テープレコーダー以上の何かを期待したい。
鷹鳩と化してつめたき人形の手 つーやん (h)かずひろ 「鷹鳩と化す」という古風な春の挨拶を新鮮に思いました。
感想 山口あずさ 「人形の手」だけは変わらぬということなのだろうか?
白い答案人生は短いな 喜誉司 草もち 同感!と言える句だと思います。季語がないことは、わたしは気にしませんが。。。
感想 山口あずさ 学ひたすら成り難し。
白紙にも5点貰えて春休み showmaru 白井健介 物理のテストで(マジで)0点だった経験を持つ者として、なぜ「白紙」に「5点貰え」るのか解せないが、あっ、でも国語のテストで氏名に(2点だったかな)配点されていたということもあったし…ま、いいか。でも5点は多いね。
感想 山口あずさ 哲学のテスト。
妻の目の上総の海が春となる 五十嵐秀彦 一文無  
感想 山口あずさ 「妻の目の上総の」「海」というのが、いかなる海なのかつかめない。
春炬燵望みもせぬのに共白髪 ぶう 山口あずさ できれば他の相手と、ということだったのでしょうか? それとも単に年はとりたくないということなのだろうか。。。
感想 白井健介 この場合「の」を削って<望みもせぬに>とする方が字余りにもならず宜い。
大試験まだ書かれざる白き紙 正明 つーやん  
感想 山口あずさ で、試験はできたの?
感想 五十嵐秀彦 おお、こういう悪夢、時々見ませんか?
自解 正明 もっとも解答用紙は白いとは限りませんが。
口中で大騒ぎなり白子干 江戸切子 子子 とっても、おいしそう!
感想 山口あずさ 「白子干」を、「白子(しらこ)」を干したものかと思って、どんな食べ物だろうと思ってしまったが、単なる「しらすぼし」ですよね。要するに、頬張りすぎたという句だったのですね。
感想 白井健介 「白子干」というよりは“白魚の踊り喰い”の感じではないですかねぇ?
アフガンの雪思い出す五輪かな 山口あずさ (h)かずひろ 疑惑の審判団も地雷が残る荒野の雪も、気がつけばハリウッド的。
感想 五十嵐秀彦 うーん。こういう句は評価が難しいです。あと何年かたったら、これなんのこと?ということになるわけですが、一回性という意味ではありなのかな。
自解 山口あずさ 今回のオリンピックはアメリカの国体だったとか。
白墨の六色セット啄木忌 白井健介 五十嵐秀彦 作者は教員ですか。そういうの確かにありましたね。なんだか懐かしい。その懐かしさが「啄木忌」と共鳴していますね。
感想 山口あずさ 白墨なのに六色もあるのですね。それにしても、「ぼく」の音が重なるのがちょっと気になる。。。
自解 白井健介 推敲不足でしたね。《六色の白墨そろへ啄木忌》と改めました。
0点句
聖水で白濁させしアニス酒 子子 感想 山口あずさ 聖水をそんなことに使っていいのだろうか?
感想 白井健介 アブナくて、あやしげで、実は密かに惹かれてしまう句です。
立春や犬屋の前の古本屋 松山たかし 感想 山口あずさ どこかに実際にあったのでしょうね。
くしゃみひとつ誤解で始まる恋もあり (h)かずひろ 感想 山口あずさ どう始まったのか教えて欲しい。
感想 姫余 誤解がすべてかも・・・
感想 五十嵐秀彦 字余りがリズムを重くしてしまっているようです。
真っ白い布の一枚冬銀河 感想 山口あずさ 「真っ白い布の一枚」を簡潔に語ればもっと何か言えると思う。
奢梵玉地を離れ宙を目指して 小島けいじ 感想 山口あずさ シャボン玉と読めたとたんにつまらなくなった。
感想 五十嵐秀彦 シャボン玉ってこんな書き方もあるんですかネ。なんだか暴走族みたいだなぁ。
春泥や紅白戦の始まりぬ 草もち 感想 山口あずさ どろまみれになって遊ぶということだろうか。「春泥」が句意を狭めたような気もしないではない。
自解 草もち 私の住んでいる四国では、いまプロ野球のキャンプが真っ盛りです。
白くってふわふわしてて暖くて 子子 感想 山口あずさ さて、わたしは何でしょう? この句はクイズか?
感想 五十嵐秀彦 いやぁこれじゃちょっと・・・詩としてはこれだけじゃ・・・自由詩の一部としては成り立つかもしれません。
永き日の余白まぶしき日曜版 一文無 感想 山口あずさ 日曜版ってなんとなくほのぼのしてますよね。
裏窓に人群れてくる春の雪 松山たかし 感想 山口あずさ 合格発表が張り出してあったのでしょう。きっと。
感想 白井健介 なにゆえ「人群れてくる」のか、手掛かりが少しでも欲しかったです。
紅梅や情事の書物よりこぼる 五十嵐秀彦 感想 山口あずさ 押し花か?
感想 夜来香 「情事の書物」という言葉が気になります。紅梅のこぼれ感もいい。
夏日傘小津の映画ににじむ白 松尾真佐代 感想 山口あずさ 北野ブルーならぬ、小津ホワイト。
感想 五十嵐秀彦 小津の映画は確かに俳句的です。でも直接小津の名を使わずにそれを感じさせる句を狙ったほうがよいのでは。
自解 松尾真佐代 モノクロの小津の映画を見ていると、白色が画面ににじんで白よりも白く光を感じさせるのです。彼の映画の中では暑い夏の日ににも何処か涼しげに日傘をさす和服の女性が似合います。
ヒマックス 雲の流れに 乗っかりたい カオリ 感想 山口あずさ 「ヒマックス」がわからない。「雲に乗りたい」は常套か。
感想 白井健介 「ヒマックス」って何でしたっけ? 篠原ともえの歌の詞にあったやつ?
感想 五十嵐秀彦 なんですか「ヒマックス」って?
自解 カオリ 暇の最上級使っちゃうほどの状態で天気がいいので雲にのっかっていっしょに流れたいなぁって思った。
ゆるゆると白み始めて春分す 小島けいじ 感想 山口あずさ 春分の日の明け方に詠んだ句なのだろうか。
感想 白井健介 「春分す」と“春分”をサ変動詞化した例を私自身は初めて見ましたが、私としてはあまり感心しないですねぇ…。あしからず。
あとひとつ足りぬ仏は白寿にて ぶう 感想 山口あずさ 百に一つ足りない九十九歳を白寿と言うが、それを説明したということなのだろうか? 白寿でみまかりますので、どうぞよろしく?
感想 五十嵐秀彦 「白寿」は「百」に「一」足りないという字形から九十九歳の意味ですよね。長寿でお亡くなりになった方に、百歳にあとひとつ足りなかったという意味の句と思います。良い句なのですが、文法の誤りがありますので失礼ながら指摘させてもらいます。「足りぬ」では否定の意味とならないのです。作者は「ぬ」をおそらく否定の「ず」の連体形としてお使いかと思いますが、その場合未然形に付きますから「足り」ではなく「足ら」となり「足らず」でなければなりません。「足り」ですと連用形ですのでその後に付く「ぬ」は完了の意味となり、足りたということになって作者の意図とは逆の意味になってしまいます。こまかなことのようですが、意味が逆になってしまっているので余計なお世話の指摘をさせていただきました。(この誤用は俳句では実に多く見られますから、特に注意が必要です)
ぷるりんといい湯に浸かる胡麻団子 子子 感想 山口あずさ 湯に「ぷるりん」とつかるからには、美しい素肌であって欲しい。なぜに胡麻団子。。。
土曜日の夕刻といふ春炬燵 白井健介 感想 山口あずさ 明日は日曜だと思うと、なんとなく嬉しい。
感想 齋藤朝比古 倦怠感。「といふ」が効いている。
感想 五十嵐秀彦 ん?けだるい感じですか?「といふ」の使用には注意が必要。
「ないしょだよ」声をひそめて息白し (h)かずひろ 感想 山口あずさ 「ないしょ」「声をひそめる」というのは、同じようなことを二度言っていて、もったいないように思う。
感想 白井健介 《「ないしょだよ」ひそめし声の息白き》とする方が宜いか。さらに<ひそめし>よりも《ささやく》とする方がもっと好いか。

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