第二十六回Hi! ku City選句結果 |
7点句 | ||||
道端の穴が気になる九月尽 | 松たかし | 特選 | 一人 | 九月は夏の果て。心にぽっかり穴があく。決して大きな穴じゃないけど、小さな隙間のほうがかえって埋めにくいもの。そんな心をひきずっていると道端の穴が妙に気になって仕方ない。小石でも蹴り込んでやろうか。つま先で土をかけてやろうか。 |
特選 | 草もち | そこはかとないペーソス。何かを象徴してるような、それともただ空とぼけているだけなのか?とにかく気になって気になって仕方のない句でありました。 | ||
選 | 魚容 | 一読して、唸りました。この穴はどこかに通じる穴。ワンダーランド始まり。九月の終わりはたしかに冬に向かって何かが動き出す気配を感じます。 | ||
選 | 子子 | そう、なんだか気になるんですよね。。。何処に行けるんだろう。。。 | ||
選 | 夜来香 | この穴は「マルコビッチの穴」か。気になる穴である。 | ||
感想 | 白井健介 | 「九月尽」よりもっといい季語が見つかりそうな気がします。 | ||
6点句 | ||||
虫パズル鈴虫だけがはまらない | 喜誉司 | 特選 | 夜来香 | 虫パズルなんて作り事だと思うが、妙に説得力がある。 |
選 | 一人 | 虫パズルってどんなパズル?蟋蟀も轡虫も竈馬さえ居場所が見つかったのに鈴虫だけがはまらない。小さすぎる?うるさすぎる?美しすぎる?いったいどんなパズルなんだー! | ||
選 | showmaru | 気をつけないと触角とか折れそうですね。 | ||
選 | 五十嵐秀彦 | そういうパズルがあるのかもしれませんが、どこか虫の鳴き声が夜の闇の中からパズルとなって聞こえてくるようでもあり、よい句ですね。 | ||
選 | 子子 | うーん、やっぱり鈴虫だったのね。。。 | ||
4点句 | ||||
虫よりは長めの命今日も秋 | いしぶつ | 特選 | 松たかし | 実感です。来年もこの虫の音を聞けるかな、なんて思ってしまうのです。 |
選 | 齋藤朝比古 | 上五中七は真情吐露のフレーズとしては大変秀逸。「も」がやりすぎで響きかたが小さくなった。上五中七がイイだけに下五は抑え目の季語の方が世界が広がってくるのに。もったいない。 | ||
選 | 魚容 | まだ若いつもりなので、命を授けられたことの尊さは少しわかりかけてきたけど、命をまっとうするということは、なんだかわかるようなわからないような。秋を越えるというか成虫で越冬する虫は少ない。虫も植物も小さくなって生きるものが多い晩秋から冬。自分の命の尊さとそれを全うすることに思いをいたす、そういう秋なのであった。思いの深さが「今日も秋」の「も」から感じられます。 | ||
感想 | 五十嵐秀彦 | ま、確かに。いや、ひょっとすると・・・。とか考えてしまいますね。でも「今日も秋」という言い方はちょっと。 | ||
虫が虫を運び行きけり雲の影 | 一人 | 特選 | 五十嵐秀彦 | たぶん蟻が虫の死骸を運んでいるのでしょう。それを見つめている作者がいます。その場面に日が差していたのに、そこに雲の影が被さってきた。生と死、明と暗の対比。 |
選 | 喜誉司 | ピンクフロイドっぽいですね | ||
選 | 草もち | うまい、とうなった表現。ちっぽけな虫の生と死、それを超然と流れる空の雲(それも影だけ!)と対比させた着眼に脱帽です。 | ||
感想 | 白井健介 | 「雲の影」はちょっと凝り過ぎたかも。「秋の雲」とかで宜かったかと…。 | ||
自解 | 一人 | 蝉の死骸を蟻が運んでゆく。ロボットのように何の感情もなく生にも死にも拘泥しない虫たち。その上を大きな雲がよぎり蔭を落としてゆく。 | ||
弱虫の見上げる月のまんまるの | showmaru | 選 | 山口あずさ | 「弱虫」が「まんまるの」「月」によって、なぜか身近な存在に感じられる。 |
選 | 夜来香 | 月に癒される時。まんまるの、で終わっているところがいい。 | ||
選 | 魚容 | 郷愁を感じさせます。「弱虫」って使わなくなりましたね。弱虫が見上げる月は、確かに鋭い三日月ではなく、まあるい月です。リズムもよくて、うまいです。 | ||
選 | べる | 何だか月がすっごくおっきく見えます。 | ||
感想 | 白井健介 | 何だか“七・七”を付けて短歌を作る問題みたいな感じの句ですね。 | ||
秋空やチンピラ肩で風を切る | 魚容 | 特選 | 齋藤朝比古 | 本当の「チンピラ」って最近見なくなったような気がする。渋谷センター街あたりに「チンピラもどき」はたくさんいるけれど。「秋空」と大きく詠ったところが面白い。 |
選 | 子子 | なんか、チンピラという言葉がハマってますね。 | ||
選 | 松たかし | チンピラも明るくしてしまう気持ちのいい秋。いいですね。ボクにはこんなアプローチできない。 | ||
感想 | 山口あずさ | 『チ・ン・ピ・ラ』という映画が昔あった。柴田恭兵と、ジョニー大倉がおしゃれだった。 金子正次、脚本 。川島透、監督。 | ||
かなかなやフォークダンスの輪の二重 | 齋藤朝比古 | 特選 | showmaru | 楽しそうなフォークダンスに夕暮れを待てず鳴きだすひぐらし。初秋のさわやかさが感じられました。 |
特選 | 白井健介 | 「かなかなや」が実によく利いている上に「二重」とした周到さは見事と言うほかないですね。讃。 | ||
3点句 | ||||
片目なる猫に鳴かるる秋曇 | 白井健介 | 特選 | 子子 | この句を読んで、パッと思い出した光景がありました。 |
選 | 齋藤朝比古 | 昔はこういう猫を街場に見かけたもの。縄張り争いに敗れたのか、犬に襲われたのか、はたまた先天的なものなのか。確かに秋曇の風情。 | ||
自解 | 白井健介 | 推敲不足で投句しちゃいましたね…… 「秋雲」ではインパクトに欠けるかなぁ、やっぱり…。 | ||
色鳥やコロッケ五円でありしころ | 一人 | 選 | 草もち | 色鳥の彩りと、セピアの思い出と。対比が面白いと思いました。 |
選 | 山口あずさ | 色彩のあるノスタルジー。 | ||
選 | べる | 時の流れははやいようで、でもどこかゆるやかで、でもやっぱり少しはやすぎると感じることもあり・・・ですね。 | ||
自解 | 一人 | 昭和三十年代に貸し本屋で大人気だった漫画家・杉浦茂。その復刻版が発売されている。五円のコロッケをほおばる主人公は本当に幸せそうに見える。 | ||
台詞のみ聞こゆる小窓ちちろ虫 | 五十嵐秀彦 | 選 | 齋藤朝比古 | 小劇団の稽古場の雰囲気だろうか。台詞の声と虫の音の重なりがややつき過ぎなのが惜しい。 |
選 | 喜誉司 | どこにいるのか、どういう情景なのか楽しく想像できました。 | ||
選 | showmaru | こんな所で鳴いているのかと思うことがあります。あの声はセリフなの? | ||
預言書の頁ぱらぱら鳥渡る | 草もち | 選 | 一人 | 預言書ってぱらぱらめくるものではないが、さりとて集中して読める気分でもない。今のところ世界は終わりそうもないし、かといって神が降臨するわけでもない。中途半端な思いとは無関係に鳥たちは今年も秋を運んでやってくる。ぱらぱらと空をよぎる影。 |
選 | 松たかし | 聖書を読んでいるんですかね。もっと面白い読み方教えてください。 | ||
選 | 齋藤朝比古 | ノストラダムスの大予言が外れてから何年経ったのだろう。季語上手いね。 | ||
感想 | 五十嵐秀彦 | 預言書というのもいろいろなものがるのでしょうね。「ぱらぱら」がねぇ・・・。 | ||
感想 | 白井健介 | 場面設定の仕方に僅かに類想感を覚えたが、欠点は無く、採りたかった句。 | ||
感想 | 魚容 | すっとイメージがまとまる句ではないと思いますが、刺激される句ですね。預言の重さと人びとの動揺が、「鳥渡る」で受け止められていると思います。と、そういう句だと思うのですが、「ぱらぱら」が惜しいような気がします。 | ||
鶏頭花夜の一部が乾きけり | 齋藤朝比古 | 選 | 五十嵐秀彦 | 「夜の一部が乾」くという把握は共感できます。 |
選 | 夜来香 | 夜のしっとり感がよく出ている。 | ||
選 | 松たかし | 鶏頭花って不思議ですよね。何かかさかさ乾いているみたいでもあります。夜が乾くって、もっと鶏頭と関連づけてほしかった。 | ||
露草や美しき嘘見抜きたり | 松たかし | 特選 | 魚容 | 端正な美しい句だと思います。露草が利いてます。美しき嘘で美しき女性に嘘を承知で翻弄されてみたいですが。 |
選 | 子子 | あの〜。。。その嘘は嘘のままで。。。 | ||
感想 | 白井健介 | 《露草や見ぬきゐて美しき嘘》というふうにしてみるのも素敵かなぁと…。 | ||
感想 | チカゲ | この俳句が一番!!気に入りました!何とも奥ゆかしい俳句ですね。嘘とは、美しくもあり、汚くもあります。人の心を動かすものを感じます。作者の方は感性の豊かな方なのでしょう。 | ||
ちちろ鳴く星より火星人へ告ぐ | たか志 | 特選 | 山口あずさ | ほのぼのとした感じが平和な光景を思わせる。「告」げられた内容もきっと友好的なものだったに違いない。 |
選 | べる | 虫たちって本当は通説とは別の目的で鳴いているのかもしれないですね。 | ||
感想 | いしぶつ | 虫って違う星の生き物みたいに思えるときがあります。進化の過程がかなり違うような気がする。 | ||
感想 | 白井健介 | “どういうこと”を「告ぐ」のか? そちらが興味深いです、私は。 | ||
血液の数値いろいろ蚯蚓鳴く | 齋藤朝比古 | 選 | 白井健介 | 「蚯蚓鳴く」を上手く利かせており、とても感心しました。「いろいろ」は〈もろもろ〉とした方が好かったように私には感じられるのですが、これは好みの問題でしょうか。 |
選 | showmaru | 本当はおけらの声だそうですが最近見なくなりましたね、オケラくん。 | ||
選 | 草もち | さいきん、中年にさしかかって、健康診断に(微妙に)ひっかかるようになってきた。血液の数値にもホントいろいろあって、あっちの数字が改善したと思ったら、今度はこっちの数字が悪いという。来月また検査に行かねばならない。 | ||
五円はた十円玉かかねたたき | 白井健介 | 選 | 喜誉司 | 昔の(小学校の頃の)都電の運賃を思い出しました。同じ世代の人だろうか。 |
選 | showmaru | 私は五円玉だと思う。 | ||
選 | 一人 | かねたたきの音が硬貨を叩いているように聞こえるのか。世の中には50円、100円いや500円玉だって立派に存在するのに五円 十円とみみちく値切っているところがそこはかとなく可笑しい。じゃあ、一円はどうなんだよ。 | ||
2点句 | ||||
撫子や卒寿の祖母は映画好き | たか志 | 選 | 白井健介 | 私に“元気をくれちゃう一句”って感じで、好いと思いました。 |
選 | 山口あずさ | 1980年代初頭、バレンチノの映画を見に行った。そこに来ていたおばあさんが、昔昔女学生だった頃、バレンチノの大ファンで、親に内緒で見に行ったと、懐かしそうに話していた。当時、映画は不良の見るものだと思われていたらしい。おしゃれなおばあさんは、もうこの世にはいないかもしれない。 | ||
鹿の目の男と女に魔が走る | 魚容 | 特選 | 喜誉司 | 思わず鹿の目というか鹿の写真を探してしまいました。 |
川の字に寝てそれぞれに身中の虫 | 一文無 | 選 | 草もち | 何か穏やかじゃないですね。下五の字余りが、その感じを増幅させてる感じがします。 |
選 | 山口あずさ | 一寸先は闇なのか? 今後の展開が気になる一句。 | ||
感想 | 魚容 | やっぱり最後のリズムの悪さが惜しまれるところ。「それぞれに身中の虫」はおもしろいけど。 | ||
アキレス腱ゆつくり伸ばす黄落期 | 草もち | 選 | 白井健介 | 何気ないことをさりげなく詠みこなすというのは出来そうで真似できない作者の確かな力量を窺わせます。 |
選 | 松たかし | これも人生俳句かな。でも、その惨めさはない。若い人も秋になるとアキレス腱をゆっくり伸ばすんですよ。 | ||
感想 | 齋藤朝比古 | 上五中七のフレーズは類似作品数多あり。黄落期は悪くない。 | ||
百年の埃を冠るパナマ帽 | べる | 選 | 五十嵐秀彦 | 埃を被ったパナマ帽を「冠った」のですね。百年前の帽子、日露戦争のころのものでしょうか。確かにかぶってみたくなります。 |
選 | 喜誉司 | 三世代くらいは使われたんですね。 | ||
感想 | 白井健介 | 「埃を冠るパナマ帽」というフレーズは“感じ”が出ていて好いと思ったのですが「百年の」にもう少し必然性を感じさせるための“全体的な説得力不足”があるかなぁという気がします。そこが惜しい句です。 | ||
感想 | 魚容 | パナマ帽子が映画なんかでも出てくると時の流れを感じます。笠智衆さんがかぶっていたシーンが印象的。 | ||
母の顔白布の下の虫の昼 | 一文無 | 選 | 魚容 | 名句だと思います。言葉にならぬものを虫の声が語っていると思います。 |
選 | 白井健介 | 〈昼の虫〉(だったら採れないが)ではなく「虫の昼」としたところに私は感心させられました。「虫の昼」が本当に佳いと思います。 | ||
感想 | 齋藤朝比古 | 上五中七は切ないフレーズ。「虫の」がいけない。どうしても「虫の息」を連想してしまう。残念。 | ||
1点句 | ||||
自販機にHOT戻りて秋彼岸 | showmaru | 選 | 五十嵐秀彦 | なるほど、自販機にも季感があるのですね。 |
斜に構え栗を所望すやじろべえ | showmaru | 選 | 夜来香 | どうということはないのだが、このユーモラスさは癖になる。 |
感想 | 山口あずさ | この「やじろべえ」と友達になりたい。 | ||
震災忌地響打たせ虫通る | 喜誉司 | 選 | 一人 | 9月1日は関東大震災の記念日。防災訓練が行われ、いつになく雲の様子 大地の揺れが気になる一日だ。熱っぽく体が敏感になっている一日だから 虫の歩行が地響きに感じるのだろうか。 |
0点句 | ||||
太陽を集めて殺す虫眼鏡 | 山口あずさ | 感想 | 五十嵐秀彦 | 虫眼鏡で陽光を集めて何かを殺している。言葉からの連想で、虫を殺しているのかと思う。ちょっと後味の悪い句です。 |
朋の眼に蟻集る頃夜深し | べる | 感想 | いしぶつ | 蟻はマシーンみたいで、集まってるとちょっと恐い感じがすることも。 |
感想 | 五十嵐秀彦 | 奇想の句。それはよいと思う。中八のだぶつきが気になる。 | ||
腹の虫寝せて火星股覗き | 一文無 | 感想 | 山口あずさ | お腹がなるのを抑えてということか? |
事件など忘れたふりや運動会 | 一人 | 感想 | 山口あずさ | お父さんは刑事? |
自解 | 一人 | 物騒な町になりましたね、と言い交わす父兄。少年を怖いと思うようになったのはいつからだろうか。なのに運動会は少しも変わらない。 | ||
やるせない秋に虫飛ぶせわしなく | いしぶつ | 感想 | 山口あずさ | ハエってとくにせわしない感じがしますね。部屋中の壁にぶつかって、よく脳震盪を起こさないと思う。 |
自解 | いしぶつ | XTCのSKYLARKINGの虫の音を聴きながら。 | ||
赤のままファミリーレストランごつこ | 白井健介 | 感想 | 齋藤朝比古 | 落語では「葬式ごっこ」や「懲役ごっこ」なんてマクラがよく使われるが、最近の子供たちはファミリーレストランごっこなんてやるのかしらん。「ご注文繰り返させていただきます。・・・珈琲をおひとつでよろしかったですか。」なんてマニュアル原理主義を貫いたりして。季語は蓼の郷愁感というより、思想的なイメージなのだろう。確かに「赤」のイメージあるも、この手の作り方はあまり好みではないなぁ。 |
感想 | 山口あずさ | 「赤のまま」のままが、ままごとに通じてしまった。 | ||
秋晴れの思想世界に迷い猫 | 子子 | 感想 | 五十嵐秀彦 | 「思想世界」という言葉自体がどういう世界を言っているのか。思想の世界に迷い込んだ猫のような私、という意味なのか。う〜む。 |
感想 | 魚容 | 「海辺のカフカ」をふと思い出しました。考えてみれば「秋晴れ」も「思想世界」も「迷い猫」もみんな好きだな。 | ||
身に入みてひっつき虫がひっついて | 草もち | 感想 | 白井健介 | 「ひっつき虫」って懐かしいです。まだ売ってるのかなぁ? |
病葉の風に揺られて仰ぎ虫 | べる | 感想 | 山口あずさ | 葉っぱを「病葉」にしたのは、この「虫」? |
繰り返し金魚噛んでる夏休み | 山口あずさ | 自解 | 山口あずさ | 気色の悪い句を作ってみたかった。 |
ガガンポが浮いて沈んで赤子泣く | 松たかし | 感想 | 山口あずさ | 「赤子」は「ガガンポ」など見ていないだろう。「ガガンポ」に気づいたのは子守。 |
虫の鳴く 声に つられて月見かな | 勘吉 | 感想 | 山口あずさ | ちょいと当たり前過ぎたか。 |
自解 | 勘吉 | 虫の声 が いいかんじ なので 外に出てみると 思わず きれいな 月に出会った とゆう俳句です。 | ||
働いてなお働いてちちろ虫 | 魚容 | 感想 | 山口あずさ | お疲れさまです。 |
蒸し暑い気持ちを覚ますよ虫のこえ | いしぶつ | 感想 | 山口あずさ | 虫の声の説明。 |
自解 | いしぶつ | これもXTCの曲を聴いて思いついた句です。 | ||
ここだよと振向けば虫飜然 | 喜誉司 | 感想 | 山口あずさ | 「飜然」を「ひらり」と読むとは知らなかった。 |
欲望を分割してる日曜日 | 子子 | 感想 | 山口あずさ | あれもやりたい。これもやりたい。 |
頁折る入庵雑記ちちろ虫 | 五十嵐秀彦 | 感想 | 白井健介 | どうして「頁折る」なのかなぁ? そこがちょっと私には分からなかった。 |
恋すてて虫歯疼くや秋の蝉 | 夜来香 | 感想 | 魚容 | おもしろくて好きだけど、「秋の蝉」が弱い気がする。 |
迷ひつつ返事を急ぐ暮の秋 | たか志 | 感想 | 山口あずさ | 「返事を急」いでいるのは誰? |
光より水の飛びたつ赤とんぼ | 五十嵐秀彦 | 感想 | 白井健介 | 眼前に展開した光景はさぞ美しかったであろうことを伝えようとしているその“感じ”は紛れもないのだが、それを追体験するには私にはちょっと表現が分かりにくい印象だったので…。 |
軒下に 降る 秋雨と 静寂と | 勘吉 | 感想 | 山口あずさ | 静寂の説明。 |
自解 | 勘吉 | 夏の 雨は 騒がしい 感じ ですが 秋雨は 静かな感じが するので 創った 俳句です。 | ||
愛してる余計なお世話に秋の風 | 子子 | 感想 | 白井健介 | 「余計なお世話」だと感じ取れる境遇に一度でもなってみてぇッすよ、私。 |
感想 | 魚容 | 上五できれる。こっちが愛しても愛してもらえない人を愛してしまったんだね。愛してる、と言っても、困ります、という返事が返ってくるのがみえている。返事なんかいらねーよ、よけいなお世話だい、こちとら勝手に愛してしまったのよ、と心の中で息巻いてみても秋の風が吹くばかり。 | ||
好き好きと言ってはじけるシャボン玉 | 山口あずさ | 感想 | 白井健介 | 春の季語「シャボン玉」の句はやっぱり春に投句しないと損ですよね。あえて今の時季の「シャボン玉」を詠もうと試みたのであれば、例えば《好き好きとはじけて秋のシャボン玉》などのように〈秋〉だということを言う必要があるだろうと私は思うのです。ご参考までに。 |
感想 | 魚容 | 光の中でシャボン玉がはじける時、好き好きって言ってますか。夏の光の中では聞こえなかったものが、秋の光の中では、聞こえるのかも。 | ||
自解 | 山口あずさ | 一人遊び。シャボン玉だけが友達。 |